退院後の初診察

受診記録

入院した病院より遠いかかりつけのクリニックへ。
今日珍しく遅刻しなかったのはもともと家族と外出していたからだ。

診察室に入ると、いつものように医師から「調子はどうですか」と訊かれた。

この「調子」は双極性障害の状況、躁か鬱か、どちらでもない感じかということを訊かれている。
だが調子が悪い時にはそれがわからない。

「よくわからない」ということもあれば「何の調子ですか」と、「主語がないと何の話か分かんねぇ」とばかりに噛みつくように訊くこともあったような気がする(躁でゴメンナサイ)。
このあたりが双極+解離+ASDの難しさであるのだと思う。

今日は「(双極の波は)まだちょっと高いです」と答えた。
医師も語尾を食うように「高いですね…」と。

この主治医は私が診察室に入ったとたんに私の状態がわかるとおっしゃっていた。だから私に訊かれるのは自己認識が正しいかどうかを訊かれているのだと思われる。

入院中に加わった漢方薬の話をした。

実は私も効くと思わずに飲んでいたのだが、飲み始めて以来悪夢がないのだ。
悪夢とは、私の場合複雑性PTSDに起因する、というよりそれそのものの悪夢である。
夜中に叫んだりするため家族と喧嘩になって大変に困っていたのだ。

「へぇ、効きましたか」医師は驚くというか、喜ぶような雰囲気だった。
これまでは他の患者さんに使ってみても、いい感触はなかったとのことだ。「神田橋処方ですよね」と。

「はい、神田橋処方…効くと思わずに飲んだので、これは効いたんだなと思いました」
この薬は、実は息子が強引に「のめ、処方してもらえ」と勧めたのだ。

医師も「これは息子さんに感謝ですね」と言ってくださっていた。
この医師の懐の大きさはもとより、治療に対する姿勢や考え方が好きで、10年以上通っている。

最後、薬はどのくらい残ってます? といつもの質問。
とっさに「いっ…」と言いかけて言葉を止める。とたんに医師の顔が「んっ」とこちらを向く。

毎日飲んでいたら1週間も薬が残るはずがない。つまり飲み忘れである。
「なんだかわからないですけど…1週間分ぐらいあります」

この飲み忘れは、ADHDというより解離系だと思っている。
医師からも記憶の連続性を維持することは難しいと言われているのだ。

そうして5週後の診察に対して、4週分の投薬をもらって終了である。

Posted by Kanrinin